羨辛 ―― 詩
幸せになってほしいと、その人は言った
でもそれは。
何よりも難しく。
何よりも辛いことだった。
幸せになってほしい、と。
願ったことがあります。
でも、それは。
自分があまりにつらく。
なにもかもがあまりに悲しく。
どうしようもないものだったから。
だから、せめてにも、幸せであってほしいと。
そう、考えた末の願いでした。
きっとその人も。
そう、考えての願いなんだな。
そう思ったら。
永遠に、その人の心は満たされないのだろう。
僕のようにと。
そう、考えてしまった自分がいました。
考えてしまったのです。
そうなのかどうかもわからないのに。
そう、願ってしまたっという方が。
近いのやもしれません。
幸せになってほしいと、僕はいくらでも言うことができます。
誰にだって、言うことができます。
でもきっと、それは慈愛ではなく。
恋慕でもなく。
ただ、たんなる。
あこがれなのだろうなあ。
そう、考えると。
幸せになってください。
その、切な願いが。
とても。
とても。
つらくて、仕方がないのです。
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