斜陽 ―― 詩
空を見上げた。
雪が降っていた。
そこには何もなかった。
ふと、この黒い空が。
抜けるような青空であったときの情景が、脳裏をよぎった。
でも、いくら考えても。
いつこの空が青空であったのか。
それは、分からなかった。
緑の森を見たことがあるような気もした。
でも、何を見たのか。
思い出すことはできなかった。
流れる川を見たような気がした。
降り落ちる滝を見たような気がした。
でもそれは本当に。
現実のことだったのか。
それは、分からなかった。
いつか、星を見た気がした。
あの時に何を、感じただろうか。
いや、きっと。
今も昔も、きっと。
何も見てはいないのだろうけれど。
見た気がした。
そう、思いたいのだな、僕は。
黒い空を見上げて、ふと。
息が、苦しくなった。
ねえ。
未来の僕。
今見上げた、この黒い空に。
星は見えますか。
その星は。
どんな色をして。
何個光っていますか。
そのときのあなたも。
もしかしたら。
何を見たのか、思い出せないのでしょうか。
その時見上げた空が。
もし。
墨のような濃黒色だとしたら。
たいそう。
滑稽な話だとは、思いませんか。
何故でしょう。
雪が降っている。
その向こうに、今、僕は。
きっと。
ありもしないことなのだろうけれど。
抜けるような青空と。
緑と、川や、滝が。
見えるような気がする。
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