« ラルロッザの学園都市 SS24 | トップページ | 遊郭 ―― 詩 »

2009年1月 5日 (月)

斜陽 ―― 詩

空を見上げた。
雪が降っていた。

そこには何もなかった。

ふと、この黒い空が。
抜けるような青空であったときの情景が、脳裏をよぎった。

でも、いくら考えても。
いつこの空が青空であったのか。

それは、分からなかった。

緑の森を見たことがあるような気もした。

でも、何を見たのか。
思い出すことはできなかった。

流れる川を見たような気がした。
降り落ちる滝を見たような気がした。

でもそれは本当に。
現実のことだったのか。

それは、分からなかった。

いつか、星を見た気がした。
あの時に何を、感じただろうか。

いや、きっと。
今も昔も、きっと。
何も見てはいないのだろうけれど。

見た気がした。

そう、思いたいのだな、僕は。

黒い空を見上げて、ふと。
息が、苦しくなった。

ねえ。
未来の僕。

今見上げた、この黒い空に。

星は見えますか。

その星は。
どんな色をして。
何個光っていますか。

そのときのあなたも。
もしかしたら。
何を見たのか、思い出せないのでしょうか。

その時見上げた空が。
もし。
墨のような濃黒色だとしたら。

たいそう。

滑稽な話だとは、思いませんか。

何故でしょう。

雪が降っている。

その向こうに、今、僕は。
きっと。
ありもしないことなのだろうけれど。

抜けるような青空と。
緑と、川や、滝が。

見えるような気がする。

|

« ラルロッザの学園都市 SS24 | トップページ | 遊郭 ―― 詩 »

詩のストック」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1030729/26823631

この記事へのトラックバック一覧です: 斜陽 ―― 詩:

« ラルロッザの学園都市 SS24 | トップページ | 遊郭 ―― 詩 »