ラルロッザ ショートストーリー

2009年3月 3日 (火)

ラルロッザの学園都市 SS29

ギャグ編 SS29 猫の王

 「あんたたちはもう少しあたしの存在に感謝をするべきだと思うわ」
突然会議中にそう言われ、第十五生徒会のみなさんはきょとんとして、大きな胸をそらしている夏妖精のアルヴァロッタ・アークシーに目をやった。
「どうしたんだ。やっぱり女の子の日はきついんだろ? 無理すんな」
牛角の少年、ゼマルディ・クラウンに投げやりに突っ込まれ、ロッタは
「うるさいわ。中途半端にオブラートに包むんじゃないわよ! 生理とはっきりいいなさい」
と冷たく返してから、全員の顔を見回した。
金髪の吸血鬼、フィルレイン・ラインシュタインは彼氏である怪鳥族のクヌギ・トランスの膝の上で、全ての事柄に自分は関係ないといわんばかりにぐっすり眠っている。
自分の隣で、ずり落ちそうになって同じように眠っている赤と白髪メッシュの女の子――彼女の娘(いろいろありましたがロッタの実の子ではありません)リンフロンを忌々しげに見てから、視線をまた脇にやる。
少し離れた場所で、テーブルに突っ伏すようにして、盲目のホワイトドラゴン、ルイシエンタ・ノートランドが幸せそうに寝息を立てている。
自分用の専用枕クッションを引いているという完璧体制だ。
資料を開いているのはロッタと、その隣で半分居眠りをしては覚醒している彼氏である、ドラゴン族の生徒会長、センシエスタ・ノートランド。そしてゼマルディの三人だけだった。

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2009年2月22日 (日)

ラルロッザの学園都市 SS28

ギャグ編 SS28 家政婦は湯煙の向こうに

 下町での買い物を終え、学園寮に戻ろうとしていた夏妖精の少女、アルヴァロッタ・アークシーは、沈黙しながら眼下の少女と見詰め合っていた。
自分を殺意を込めた目で見上げているその子は、やけに小さい身体に、お尻の辺りからぴょこんと九本の黄色いふさふさした尻尾を伸ばした女の子だった。
薄汚れた家政婦の服(メイド服)を着ている、見るからに平民だ。
本来なら平民が貴族であるロッタを真正面から、明らかに殺意のこもった瞳で見つめることは許されるべきことではないのだが。
ほぼ治外法権状態のこの学園都市では、まぁ時たま見る光景ではあった。
しかしこの場合、ロッタが戸惑っているのは。
身に覚えがありすぎて対応に困っているということだった。
ドラゴン族の国民アイドル的人気を誇っている生徒会長、センシエスタ・ノートランドと付き合っていて、あまつさえ子供を持っている(いろいろありましたがロッタの子ではないです)彼女は、学園内からもいろいろな勢力から恨みを買っている。
だからというわけではないのだが。目の前にちょこんと仁王立ちになっている小さなメイドを押しのけていくべきなのか、それとも声をかけるべきなのかどうか分かりかねていたのだ。

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2009年2月13日 (金)

ラルロッザの学園都市 SS27

ギャグ編 SS27 怪盗馬ヘッド

 厳戒態勢が敷かれているザインフロー魔導学園の入り口で、第十五生徒会員達は、反面うきうきした顔で正面城門を見つめている小さな吸血鬼、フィルレイン・ラインシュタインを見ていた。
当のフィルは、青い顔をしている仲間達とは裏腹に、うきうきを前面に出した顔で、今か今かと城門の向こうを見つめている。
しばらくして、軍隊が城門周りや外に配置された中で、音を立てて跳ね門が開いた。
「アーンガット!!」
大声で執事の名前を呼んで、フィルがちょこちょこと走り出す。
入ってきた馬車から降りてきたのは、体長二メートルは超えるかというほどの巨大な、黒色の毛並みをした犬だった。
彼……動物の姿をした魔獣、ヘロケルンである執事、アーンガットはフィルを見ると、その緋色の目を金色に輝かせて駆け寄ってきた。
「おじょぉさまああぁあ!」
「アーンガット! 会いたかったよ! すごく会いたかったよ!!」

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2009年2月 7日 (土)

ラルロッザの学園都市 SS26

ギャグ編 SS26 セントバレンタイン

 「よし、塔の中に女どもはいないな」
生徒会室の脇にある仮眠所の墨にしゃがんだセドラゴン族の生徒会長、センシエスタ・ノートランドが小さな声で言う。
それにうなずき、隣にしゃがんでいた……それでも座高一メートルは超えている怪鳥族の大男、クヌギ・トランスがひそひそ声で応えた。
「今のところは……大丈夫なはずだ」
「クラウン、そっちはどうだ?」
聞かれ、窓のほうにしゃがんでいた牛角の少年、ゼマルディ・クラウンがそっと顔を窓の外に向け、慌ててまたしゃがみ込んだ。
外の方から一団と大きくなった女の子のもののような歓声が聞こえる。
「だめだ。畜生、完全に包囲されてる……」
「誰だよここに隠れればいいって言ったのは……」
「ノートランド、お前がここに逃げ込んだのが悪いんだぞ。とっとと行って全員分の愛を受け取って来い」
クヌギに言われ、センはブンブンと首を振って答えた。
「殺されるわ! 生徒じゃねえ奴らも混じってんじゃねーか!」

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2009年1月12日 (月)

ラルロッザの学園都市 Q&A

ウィットにとんだ質問を数点いただいてるので、お答えしておきます

★ ラルロッザの学園都市 Q&A 第一回 ★

Q.鳥の人はロリコンが犯罪であることを理解しているのですか?
 → A.してないとおもいますけど、幸せならそれでいいんじゃないでしょうか

Q.やはりアイカ様は洗っていない水槽の臭いがするんでしょうか
 → A.少なくとも陸揚げされた魚類の臭いはすると思います

Q.ゴンザレスが最後どうなったのか気になります
 → A.最終回で、敵異星人ブッシュの放ったダークマターと共に亜空間に消えました

Q.ぶっちゃけSSよりもゴンザレスを書いてください
 → A.正直な話、作者(ぼく)、観てないんでよくわかんないです

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2009年1月 8日 (木)

ラルロッザの学園都市 登場人物

ラルロッザの学園都市 登場人物紹介 本編一部~SS新年編まで 修正版

★しかしこう見ると、ずいぶん複雑な人間関係になってる……書いてる人もまとめてて驚きました

■フィルレイン・ラインシュタイン(本編より登場)
 身長132センチ。体重31キロ。クヌギとつきあっている。
西の大魔王メルヘドス.ラインシュタインと天使族の娘ラルロッザ・ノーエンガーブの娘。
 禁呪七号により精製された人造生命体ホモンクルーズで、吸血鬼と天使のデュアルハーフ。
 彼女の唾、血には解呪解毒滅菌の効果がある。
また、彼女自身も四肢をバラバラにされても復活するほどの再生力を持つ。
好きな人の血を飲むと、一時的にだが成長する。逆に嫌いな人の血を飲むと幼児退行を起こす。
 天才的な知能と計算力を持つが、精神年齢が幼く、会話を成り立たせるのが困難。
 変なもの、キモいもの、グロいもの、父親が好き。

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2009年1月 7日 (水)

ラルロッザの学園都市 SS25

ギャグ編 SS25 ハッピーニューイヤー

 「正月は普通に開催されてよかったな」
怪鳥族の大男、クヌギ・トランスの指先を掴んで歩きながら、小さな金髪の少女――吸血鬼のフィルレイン・ラインシュタインがニコニコ笑顔でうなずいた。
「そうだねえ」
身長差が一メートルほどもあるため、まともに手を繋ぐことができない状況であるがゆえ、やはりとてもカップルには見えない。
学園都市ザインフローの大通りには、新年を迎える飾りが並べられ、そして同時に各地で大道芸や屋台などが見受けられた。
さすがにクリスマスのインフルエンザショックで、活気は例年よりも少ないものの(第二十四話参照)学園の理事会が外から商人を呼び寄せ、急遽ニューイヤーの祭を開催したのだ。
もとよりウィルスの対抗魔導ワクチンはすぐに用意されたので、今では殆どの市民が全快している。
特に子供の回復力は尋常ではなく、元旦の朝早くだというのに、沢山の学生でにぎわっていた。

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2008年12月25日 (木)

ラルロッザの学園都市 SS24

ギャグ編 SS24 クリスマス中止のお知らせ

 「残念ながら今年のクリスマスは中止になった」
生徒会室の長テーブル、その上座で、会長のドラゴン族、センシエスタ・ノートランドが重苦しく口を開いた。
両指を顔の前で組んで、表情が重い。
もっしゃもっしゃとケーキを頬張っていた、小さな金髪の吸血鬼、フィルレイン・ラインシュタインがポカンとして停止する。
その手がプルプルと震えはじめ、やがてボテリと、フォークからケーキの切れ端がテーブル上に落ちた。
「クリスマスが………………中止………………!?」
ひきつった声を上げた彼女を膝に乗せた状態で、その彼氏の大男、怪鳥族のクヌギ・トランスが口を開く。
「突然何を言い出すんだノートランド。やめろ! フィルを怖がらせるな!」
自分の方に震えているフィルを抱き寄せ、大声を上げた彼を冷たく見つめて、センはふぅ……と息を吐いた。
「別に怖がらせているわけじゃない。ザインフローの理事会は、昨日の会議にて、やむをえない事情で今年のクリスマスを中止にすることを決めた。じきに学園中に通達が出る。今日二十四日と、明日二十五日。イヴとクリスマス本体の全ての行事は中止。今日のクリスマス会も、クリスマスセールも、××ホテルの割引時間も、全てが中止だ。テレビのクリスマス徳番も中止。アドバルーンも撤去。聖歌隊とハンドベルの講演会も中止。今日と明日は臨時休校だ。無論学園のクリスマスパーティー関連もすべて中止になった」

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2008年12月22日 (月)

ラルロッザの学園都市 SSS3

ラルロッザの学園都市 ショートショートストーリー

SSS3 運命両断猫ツインブレード

 「フリンスよ。お前がわしの弟子となってから何年が経つ?」
岩が連なり重なった滝つぼのてっぺんに座禅を組んでいるドラゴンの脳天にしがみつきながら、でっぷりと太った魔獣、どう見ても猫にしか見えないにゃんこ先生が聞く。
彼を頭に乗せているドラゴン、センは
「そ……そろそろ一年です。師匠……」
と答え、足をプルプルさせながら、不安定な岩の上で控えめに続けた。
「師匠、そろそろ落ちそうです……」
「うむ。洒落でやってみたが落ちたら、少々これはリアルに危険だな。戻ろう」
「ありがとうございます…………しかし師匠、一歩でも動いたら落ちそうです」
「何? 気張れセンシエスタ。わしが降りるくらいまで踏ん張れ」
「そ、うしたいのは山々なのですが……ししょ、ちょ、うごかな」
いち早く自分だけ助かろうとした猫がぶるんと動いた瞬間。
それに振り子のように振られ、ドラゴンが数百メートルの滝つぼに、足場ごと足を踏み外した。
「あ」
弟子が落ちて行くのと同時に落下しながら、しかし次の瞬間、にゃんこ先生は
「とう!」
と叫んで彼の頭を後ろ足で強く蹴った。太った猫が宙を舞い、くるくると回転してから、スタッと滝つぼに着地する。
落下していく弟子を
「……うわぁ……」
と見下ろしながら、彼はその場に腰を下ろした。
そして懐から葉巻を取り出し、ジッポで火をつけてぷっかぁ……と煙を吐く。
「やっちまった……」

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2008年12月20日 (土)

ラルロッザの学園都市 SS23

ギャグ編ショートストーリー SS23 パパが来る

 必死に膝の上に乗った少女を押し戻そうとしながら、生徒会長のドラゴン、センシエスタ・ノートランドは悲鳴を上げた。
「何をしてる!? てめーら! 良心があるなら俺を助けろ!」
脇には、うつ伏せの溺死体のようになり、その彼女の夏妖精、アルヴァロッタ・アークシーが倒れている。ピクリとも動かず、制服は乱れきり、妙に体中がしっとりしている。
「パパさま!」
にこにこと笑いながら、センの膝に乗った少女、彼の娘(非認知:第十六話参照)である伝説の魔獣、リンフロンが、ぎゅぅぅ~、とその体を抱きしめた。
ボキボキボキボキという音がして、鶏を絞め殺したような悲鳴をドラゴンが上げる。
「やめぎゃぁ! 父は! 父はそれ以上締められると死ぬっふぅ!」
「んっふっふパパさま~」
幸せそうに笑いながらリンフロンがほおずりするたびに、ボキ、ボキ、と何かあばら骨が砕け散っていくような変な音が響く。
抱きついているマンドルゴラの子供は、ここ数週間で五歳程の外見に成長していた。

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2008年12月16日 (火)

ラルロッザの学園都市 SS22―2

ギャグ編ショートストーリー SS22 ふたりのスピカ 後編

前編(http://matusagasin.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-b61c.html)の続きです
※ギャグ編ではない要素があります

生徒会員全員が、三白眼のような目になっている。
彼女達は、またゼマルディが誤射したのか、もうひとつ飛行船が爆裂したのを見てから、それぞれ頭を抑えてため息をついた。
「ここまでやることはないんじゃないかな……」
クヌギが、フィルを背負ったままポツリと言う。
その脇でサラサが諦めきったように口を開いた。
「ポディマハッタヤさんがこれ見たら大喜びですね。兵器としてのいい宣伝になりますよ」
「ハッタヤ鉛筆の威力がここまでとは思っていませんでしたが、わたくしがつくった可変ガトリング兜があれば、いい囮くらいにはなりますわ。とにかく、この混乱に乗じてロッタだけは何とか助けますわよ」
「あれお前が作ったのか……」
「ほら、何をぐずぐずしているのです。フィルちゃんは貴重な回復役兼盾になりますから、連れてきて下さいまし」
右手を上げてアイカが、墜落した飛行船から引火し、火の手が上がり始めた街並みに飛び出す。
「大惨事だ……」
流石のクヌギも呆然とながら後を追う。そこで、うしろからふわふわついてきていたサラサが、道の端の方に目をやって、「あっ」と声を上げた。

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ラルロッザの学園都市 SS22―1

ギャグ編ショートストーリー SS22 ふたりのスピカ 前編

第21話(http://matusagasin.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-f6b1.html)の続きです

 ドッサァッ! と重い音がして、何かが放りだされた。後ろ手に縛られたまま、正座をして床を向き、プルプル震えていた生徒会長のドラゴン、センシエスタ・ノートランドが、ビクゥッ! と体を震わせる。
その隣では、何故か体中に亀甲型に鎖を巻きつけられ、後ろ手に縛りあげられた夏妖精、アルヴァロッタ・アークシーが、同様に、なるべく前を見ないように正座して、プルプルしていた。
センの脇に転がされたのは、口にガムテープを張られ、体をギッチギチに、何重ものアルミホイルで素巻きにされていた、南大魔王の娘。クリーム色の髪をした樹木妖精の、カランフロン・チェルサーだった(第七話登場)
アルミホイルの下は、腕をクロスさせるタイプの拘束具なのか。うまく身動きすることもできずに、熱気で真っ赤になった顔を、必死にブンブン振っている。ものすごく暑いらしい。
「ふ゛んっぐぅぅ゛! んん゛っぐぅぅ゛っ!」
ビッタンビッタンと足を震わせているカランを一瞥し、ザインフロー会議室の上座に座った女性が、息をついて足を組んだ。そして頬杖を突いて、センを見る。
「……ほれ、じゃから正直に話せい。寝取った女が蒸し焼きにされてもいいのかえ?」
優雅な通る声で呼びかけられ、センが涙目でブンブンと首を振る。

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2008年12月10日 (水)

ラルロッザの学園都市 SS21

ギャグ編ショートストーリー SS21 いっぽんの鉛筆の向こうに

 「私達は今日の授業をボイコットするよ!」
朝の生徒会で、金髪の吸血鬼――フィルレイン・ラインシュイタインが、突然、ガタリと椅子を鳴らして立ち上がった。今日壊れた噴水の点検作業に業者が入るという話をしていた途中だったので、何の脈絡もないその叫び声に、周り全員がポカンとする。
「そういうわけで早退届けに判子が欲しいの」
資料を広げている生徒会長のドラゴン、センシエスタ・ノートランドに近づき、ごそごそとカバンから取り出した紙を渡す。
「フィル、ボイコットではない。正当な理由がある早退だ」
彼女の彼氏である大男、怪鳥族のクヌギ・トランスが頷いて続けた。
「そういうわけだ。フィルが我慢できなくなったらしい。話の途中だが俺も失礼させてもらう。ノートランド、判子を押せ」
「何だお前らいきなり。産婦人科はまだ開いてないぞ?」
「そういうネタから離れろ。混乱を招くと思っていたので、会議の最後にしようと思っていたんだが。今日は大事なコンサートがあるんだ。奇跡的に俺の家の者達が、二枚チケットをとってきたんだ」
「そういうことは早く言え。てゆうか、今日は量子薬学とか、第三課題の中期テストがあったはずじゃ……」
「俺もフィルもどうせ追試で合格する。そんなことよりも大事なことだ。実を言うと半ばあきらめていたのだが、命がけで届けてもらってな。行かないわけにはいかないんだ」
「前フリが長いよ。早くハンコを押してよ!」
フィルがイライラしながら、勝手にセンの机にある大ハンコの蓋を外し、自分とクヌギの早退届に、バシンバシンと押した。

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ラルロッザの学園都市 SS20

ギャグ編ショートストーリー SS20 S×M

 静まり返った生徒会室の長テーブルを囲むように座りながら、その中の一人、牛角の少年、ゼマルディ・クラウンが声を発した。
「……で、どうすんだよ?」
彼の脇のゆりかごには、すやすやと寝息を立てている魔導生物マンドルゴラの子供(第十六話参照)リンフロン・ノートランド・チェスサーがいる。片手でそれを、器用に揺らしながら、少年は上座に隣り合って座っている男女を見た。
生徒会長のドラゴン、センシエスタ・ノートランドと、副会長の夏妖精、アルヴァロッタ・アークシーだった。カップルでありリンの義理の親である二人が、まったく同じぐったりした姿勢で、自分の膝を掴んでいる。
少し離れた場所に座った赤毛の人魚――アイカ・マロンが顔の前で指をくるくるとまわした。
「もう一度整理しましょう。とりあえずノートランドさん。右手を上げてくださいまし」
「はい……」
ロッタが返事をして、右手を上げた。
「じゃあロッタ。左手を上げてくださいまし」
「うん……」
今度はセンが返事をして左手を上げた。

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2008年12月 8日 (月)

ラルロッザの学園都市 SS19

ギャグ編ショートストーリー SS19 にゃんこ先生

 「ものすごく嫌な予感がするわ……」
額に浮いた汗をブレザーの袖で拭って、妖精の少女……アルヴァロッタ・アークシーが呟いた。
第十五生徒会室の隅で、彼女の彼氏――ドラゴン族の生徒会長、センシエスタ・ノートランドは沈痛な面持ちで足元の段ボール箱を見ていた。
近づこうとしない彼氏を無理やり前に押し出し、ロッタは大きな胸をそらせるようにして、腕組みをして居丈高に命令した。
「……開けなさいよ」
「俺はまだ死にたくない」
「何言ってんの、あんたの実家からでしょ……何であの外道共からくるのかわかんないけど、あんたの実家からでしょ?」
「バカいうな。二回言うな。地雷である確立が八割だぞ!」
「残りの二割は?」
「そのほかの爆弾だ」
「爆薬であるのは確定なのね……」
「とりあえず危険物処理班を呼ぶぞ。不用意に近づくな。まず間違いなく、これは俺とお前を殺すための何かだ」
「誰かがここに来る前になんとかしないと……」
「前にラインシュタインのとこのバカメイドが言ってた、虐殺の魔法爆弾じゃないか……?」
「まさか……そんな直接的な手に何で今更……」

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2008年12月 4日 (木)

ラルロッザの学園都市 SS18

ショートストーリー18 白馬の王子様

第十七話(http://matusagasin.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-5e78.html)の続きです
ギャグ寄りではないので、センシエスタ×アルヴァロッタが好きな人にはお勧めしません

 ――俺とお前は、しばらく離れた方がいいだろう。
彼がそう言った言葉に、夏妖精の少女、アルヴァロッタ・アークシーはポカンと口をあけ、彼の顔を見上げた。
この学園に命からがら辿りついてやっと。同じ部屋に暮らしはじめてから一ヶ月ほど。自覚できる程心に負っていた傷は深かったらしく。
やっと、ほんの少しだけこの学園での生活に慣れ始めてきた頃の話だった。
彼女の希望でベッドは別々だったが、彼――ドラゴン族の少年、センシエスタ・ノートランドと同じ部屋にしてもらったのは、ひとえに、一人になるのが怖くて仕方がなかったからだった。
彼の双子の妹は、自分のことが気に食わないらしく、口もきいてくれないし目を合わせようともしない。
それでもロッタにとって、世界中全体で今、信用できる他人はセンシエスタ一人だったし、彼も自分を同じように必要としてくれていると、心の中でそう信じたかった部分もあった。
だからベッドの上から言われた言葉を聞いて、すぐ理解することができなかったのだ。

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2008年12月 3日 (水)

ラルロッザの学園都市 SS17

ショートストーリー17 風が、寒い日

※ギャグ編ではありません。半端ないシリアスさなので、あちらの世界観が好きな方は読まない方がいいです

 生気のない瞳をした娘だと、思った。
三週間前にはじめて見かけた時にもそう思い、そして今見てみても、そう思う。
目を合わせようともしない。
美男美女が多い妖精の中でも、かなり美しい方に部類される娘なのだが、表情がガラス玉のようだ。
ボーッ、とやつれた顔で地面を見ている。
東のマフィアグループ、ノートランドファミリーの三男であるセンシエスタは、彼女が今日の晩餐会に現れてから一生懸命気を引こうとしていたが、一向に気づかれる気配がなく苛立っていた。
だだっ広い屋敷の舞踏室は、一階と、螺旋階段で仕切られたバルコニーの二階で構成されている。
一階には数十の長テーブルが並べられ、さまざまな料理が、後から後からと入れ替わっている。

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2008年12月 1日 (月)

ラルロッザの学園都市 SS16

ギャグ編ショートストーリー16 娘ができました

 生徒会室の中央床に正座をさせられた少年――生徒会長のセンシエスタ・ノートランドは、手の中でちゅぱちゅぱと親指をしゃぶっている幼女を抱いたまま、彫像のように停止していた。
その視線が床の一点を見つめている。
そこには、ふたを開けられた段ボールの中に、梱包材と、柔らかい高級藁が敷き詰められているのが見え、メッセージカードが床に放り出されていた。
『諸事情があり、現状で育てることが難しくなりました。一ヶ月ほどお預けいたします。ご自分の子供と思って、可愛がってください。名前は、リンフロン・ノートランド・チェルサーです。ミドルネームは未申請ですので、それも含めお願い申し上げます。なるべくなら母乳をお与えください』
生徒会員全員が腕組みをしてセンを見下ろしている。沈黙の中で、無言でその彼女――夏妖精のアルヴァロッタ・アークシーが、メッセージカードを拾い上げる。その背中の、四枚のトンボ羽がピクピクと痙攣している。少女は、カード下部に記載された綺麗なサインと封蝋印の、『カランフロン・チェルサー』という捺印を見て、驚くほど無表情な顔をセンに向けた。
そして彼女は、彼の前にしゃがみこみ、ピリピリ……ピリ……とゆっくりとメッセージカードを真っ二つに裂いた。片方を、ブルブル震えて目線を合わせようとしない彼氏の頬にペタリとつけ、何度かグリグリと撫でまわす。
「……母乳なんて出ないわよ……?」
地獄の底から響くような声で彼に囁いたロッタの肩を掴んで止め、背後にいた車椅子の人魚……アイカ・マロンが首を振った。

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2008年11月30日 (日)

ラルロッザの学園都市 用語解説

※ラルロッザの学園都市 SSの用語解説です

何だか色々混乱してきたので、何点か用語解説をしておきます

・超速効薬
 →アイカが調合した劇薬。嗅がされた人は、向こう二日間の記憶がパーになります。

・モーム
 →魔界のチェスのようなゲーム。計算式を使う。フィルがバカ強いです。

・魔導メディア
 →魔界の道具は、魔導という別の魔力により動いてます。映像の記録素子です。

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2008年11月28日 (金)

ラルロッザの学園都市 SS15

ギャグ編ショートストーリー15 Gインターバル

 緊迫した雰囲気の中、必死に止めようとして右足にしがみついている牛男――ゼマルディ・クラウンをずるずると引きずりながら、白髪のドラゴン、ルイシエンタ・ノートランドは、長い髪を振り乱して周りを見回していた。見えないはずの彼女の目が、カッと見開かれている。生まれつきの先天性魔力過多という病気により、視力がほぼない彼女は、しかし魔力等の生命エネルギーを見ることはできる。
ぐるりと第十五生徒会室を見まわし、彼女は、手に持った散弾銃の銃座に取り付けられた装填グリップを掴み、ガシャコン、と慣れた手つきで弾を込めた。
「そこかああ!」
細い声で絶叫し、振り向きがてらズドンとぶっ放つ。銃弾には魔力がたらふく込められていたらしく、炸裂した百数個の鉛玉が、それぞれ一つ一つが砲弾が爆裂したかのような威力で、クローゼットを吹き飛ばし、木片と瓦礫屑を吹き荒れながら、壁を貫通して抜ける。

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2008年11月27日 (木)

ラルロッザの学園都市 SSS2

ラルロッザの学園都市 ショートショートストーリー

SSS2 スウィートハート

 はぁ……と大きなため息をついて、魔王メルヘドスは頭を押さえた。
彼が造らせた生徒会搭の最上階、魔法により十数倍に拡張してある、ホテルの超VIPルーム並の特設生徒会室のベッドで、天使の少女、ラルロッザが眠っていた。
うつ伏せになって、大きな枕を抱きしめている。毛布をかぶせられ、額には保冷剤が貼り付けられている。風邪をひいているのだ。その口からはよだれが垂れ、それは金色の光を放っている。彼女がすぅー、すぅー、と寝息を立てるたびに、部屋の中に甘ったるい、濃厚な焦げた砂糖の匂いが充満していく。

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2008年11月26日 (水)

ラルロッザの学園都市 SS14

ギャグ編ショートストーリー14 愛の記録

 「何これ……」
少女趣味丸出しである自分の部屋のベッド上で、妖精族の少女――アルヴァロッタ・アークシーはボソリと呟いた。Tシャツにスパッツというラフな格好をしている彼女の背中からは、四枚のトンボ羽が伸びてフルフルとゆれている。
その隣に腰を下ろしているドラゴン族生徒会長、センシエスタ・ノートランドが、ロッタの手から、小さな丸底フラスコをつまみあげて照明にかざした。
きつく何かの鉱石を溶かして封がしてあり、中には紫色の液体が三分目くらいに入っている。
ラベルが貼ってあり、そこには『愛の記録』と書かれていた。

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2008年11月14日 (金)

ラルロッザの学園都市 SS13

ギャグ編ショートストーリー13 ロリコン友の会

 ビュンビュンビュンビュンと、何か小指大の物体が乱舞する生徒会室で、縮こまって震えている金髪の吸血鬼――フィルレイン・ラインシュタインを抱いて庇いながら、少年は悲鳴を上げた。
「やめろおお! やめるんだアークシー!」
「出てきなさいセン……このままこの塔を吹き飛ばしてもいいのよ……」
ゾッとするような声で呟きながら、瞳をロボットのように真っ赤に発光させている少女――夏妖精のアルヴァロッタ・アークシーが足を踏み出す。
彼女に追従する形で、周囲を円を描きながら飛んでいるモノ……五十発以上ものライフル銃の実弾が、シャンデリアや壁のレリーフや、果てには絨毯までを削り吹き飛ばしながら動き出す。
火薬は抜いてあるらしく、しかし合金製の銃弾は、まるで鉄つぶての雹あらしのように、たちまちのうちに大理石のテーブル、その四分の一程を弾き飛ばした。
回転するごとに加速が増していっている。
「どこにいった……」
「クヌギ君助けてええ!」
バシン、とフィルのすぐ脇の壁が銃弾でえぐられ、彼女が悲鳴を上げる。

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2008年11月 9日 (日)

ラルロッザの学園都市 SS12

ギャグ編 ショートストーリー 12 ミニマム

 おびただしい数の魔法薬の瓶やフラスコ、妙な色の煙を上げているビーカーが立ち並んだ不気味な部屋。その端のベッドに横たわり、夏妖精の少女――アルヴァロッタ・アークシーは、自分を見下ろす車椅子の人魚を見上げた。
「……本当によろしいんですね?」
彼女――アイカ・マロンに問いかけられ、ロッタはゆっくりと頷いた。
「ええ。やって頂戴」
「そこまでムキにならなくても……やはり思いなおすことはできませんか?」
「もういいのよ……とりあえず欲しがってたから、フィルフィルに半分くらいあげて……」
「人に分けることはできませんよ……そんな、シリコンじゃないんですから……」
「もういっそない方がいいんじゃないかって。決めたの。だから早くやって。後悔はないわ」
「アイデンティティーの崩壊につながらなきゃいいですけれど……」
ボソリと何かを呟いて、そしてアイカは深いため息をついた。
「分かりました。親友の頼みです。私が何とかしましょう。確かに邪魔ですし。正直な話……気持ちは分かりますわ」
「頼んだわよ……あなたのこと、信用してるから」
手を伸ばしたロッタの小さな指に自分の指をからめ、人魚はゆっくりと頷いた。

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2008年11月 8日 (土)

ラルロッザの学園都市 SS11

ギャグ編 ショートストーリー11 インタビュー

 ワン、ツー、スリー、アクション! という何故か本格的な掛け声とともに、二人に向けられた巨大なカメラが回され始めた。次いで、インタビュアーの少年が、レンズに向けて声を張り上げ始める。
「さて、今日は東区の生徒会に来ております。こちらが生徒会長にして、我が学園が誇る最強の魔族、エルダードラゴンの、センシエスタ・ウィムト・クルバス・セルジッシュ・ノートランド……フリンスさん! そしてこちらが、その驚異の美貌にて東区だけではなく我らが西区にもその人気を広げようとしている、副会長にしてバーチュラ(夏妖精)の、アルヴァロッタ・アークシーさんです!」
パチパチパチとスタッフの拍手に迎えられ、ロッタが満面の笑顔で会釈をする。その隣でふてぶてしく頭を下げたセンの太ももを、カメラに見えないようにつねりあげ。そして悶絶した彼を睨みつけて、ボソリと彼女は囁いた。
「あんた、名前長すぎるのよ。あたしの立場がないじゃないこれ……」
「どうしようもねぇだろそれ……」

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2008年10月30日 (木)

ラルロッザの学園都市 SSS1

ラルロッザの学園都市 ショートショートストーリー

SSS1 姉

ロッタは深いため息をついて、部屋の中で膝を抱えこんだ。
わざと電気を消し、やたら大きなベッドの上で体育座りになっている。
「疲れた……」
誰もいない部屋でポツリと呟き、膝を抱えたまま目を閉じる。
時計は夜の十一時を指している。もうそろそろ寝なければ、明日の朝、家庭教師のレッスンに体力がついていかない。
それは分かってはいるのだが、胸の奥に溜まった言いようのない疲労と、ドロドロした憤りが、どうしても彼女を睡眠へといざなってはいかなかった。
先ほどから右手では携帯電話をまさぐっているのだが、何度か発信しようとして指を止めてを繰り返し、ついには一人で、あいつはもう寝てるだろう、バカだからと自己完結し今に至る。
少しして、電話のバイブレーションが鳴った。甲高い電子音を立てると家族が起きる可能性がある。
電気を消しているのも、トイレなどで起きてきた弟妹達から少し離れたかったということもあった。

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2008年10月26日 (日)

ラルロッザの学園都市 SS10

SS10 My Dears

 「殺せよ……」
いつもの彼とは違う、完全に無気力かつ精も根も尽き果てた真っ白い顔で、生徒会長のドラゴン、センシエスタ・ノートランドは椅子に体を投げ出していた。
その尻尾が気力を失い、だらりと床に垂れている。
気まずい沈黙が辺りを包み、そして彼の隣に座っていた妖精の少女、アルヴァロッタ・アークシーが背中のトンボ羽をパタパタさせながら、とりつくろうように素っ頓狂な声を上げた。
「わ、悪かったって。ね? こんなに謝ってるじゃない。ヤケにならないで。ねぇ、今回は私が悪かったよ。お願いだからしっかりして。ほら、私、おんなじの買ってきたから。これで許してくれる? セン、ほら顔上げて」
自分の前のテーブルに置いてあった、小包サイズの包装された箱を彼の前にスライドさせて、彼女はドラゴンの顔を覗きこんだ。
彼は無気力な顔でそれを見ていたが、やがて軽く首を振って、指先で小包を押し戻した。
「ありがとう。でももういいんだ……いいから殺せよ……」
「そんなこと言わないで。ねぇ、じゃあご飯食べに行こうよ……」
先ほどから同じようなやりとりが繰り返されているのだが、切り札にいていたらしい小包に彼氏が一切の反応を示さないのを見て、ついにロッタはひくっ、としゃっくりを上げ。うっすらと目に涙を浮かべはじめてしまった。
「…………」
「……」
「……」
「…………」
「………………うぅ……ぐす……ひっく…………」
遂には沈黙に耐えきれず、気が強いはずの彼女は目を拳で覆い、ボロボロと泣き出してしまった。
責任感と罪悪感に負けたらしい。

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2008年10月 5日 (日)

ラルロッザの学園都市 SS9

その9 やみなべ

雪がしんしんと降りしきる外をよそに、ポカポカと暖かい生徒会室の中で。
第十五生徒会員の面々は、正座をして小さなテーブルを囲んでいた。
カーペットの上に木造りの丸テーブルという光景も変だが、カーペットの上に直接腰をおろしているのもおかしい。
しかし、目隠しをした全員の表情はこわばっており、真剣そのものだった。
丸テーブルの中央には、火の魔法が織り込まれた小型コンロの上に乗った巨大な鍋が、ぐつぐつと気泡を上げている。おいしそうなにおいはしているが、中身の液体は紫のヘドロ色だ。
「よし……お前ら、アイマスクを外せ」
ごくり、とつばを飲み込んで、上座に座っていたドラゴン族の少年――生徒会長のセンシエスタ・ノートランドが口を開いた。それを聞いて、周りの少年少女達がそれぞれアイマスクを外し。
鍋を見て硬直した。

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2008年9月17日 (水)

ラルロッザの学園都市 SS8

その8 ペッツマム

 唾を飲みこみ、両耳脇に生えたトサカを心細げに震わせた怪鳥族の少年、クヌギが周りを見まわす。彼が着ているビシッとしたシャツの胸元からは、白ヘビの頭が覗いていた。チロチロと舌を出しているそれには腕と、足。それに四枚の羽がある。今は首に呪文の封印がなされているが、本来は見たもの全てを石に変えてしまう石化の魔獣だ。
彼らの視線の先には、背丈がやっと百三十に届くかというくらいの小さな、金髪の吸血鬼がちょこちょこと動き回っていた。身長がニメートルに届きかけているクヌギからすれば父と娘ほどもの身長差があるのだが、二人はれっきとしたカップルである。
「う~わあ~、かーわいいよー」
耳を真っ赤にしながら、戸惑いの表情を浮かべている彼氏とペット(魔獣)を一瞥もせずに、店員の冬妖精を引きまわして絶えず動き続けている。
「こちらが秋文鳥でございます」
「わぁぁぁぁあ!」
はぁはぁと息を荒くしながら、フィルが店員が差し出した小鳥の雛を手のひらに載せる。ピーピーと鳴いているそれは、雛の時分だというのに尾羽が秋葉の紅葉色に光っていた。
「大きくなると、一年を通して全身の色が青緑、黄色、赤、茶色と変わっていきます。人なつっこいですし、可愛いですよ」
小さな吸血鬼を見下ろしながら、小学生に語りかけるようにゆっくり、静かに店員の女性は話しかけてくれていた。実際問題フィルは今年で十七になるのだが、精神年齢が低いことは否定できないので、クヌギはあえてそのまま放置していた。
それはいいのだが……。
ピヨピヨという周りの音をビクビクしながら見つつ、怪鳥族の少年が居心地悪そうに貧乏ゆすりをしている。
ここは学園商店街にあるペットショップ。その中でも実に正統派で通っている、今の時代珍しい良品点だった。主に貴族が買っていくため、天然ものの高額な珍種が集まっている。
「クヌギ君が赤ちゃんになったときみたいだね!(第六話参照)」
とことこと走り寄ってきて手の中の雛を見せるフィルに、ビクリとしてクヌギは後ずさった。
「や……やめろ」
「どうしたの? さっきから顔色悪いよ」

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2008年9月15日 (月)

ラルロッザの学園都市 SS7 後編

その7 発情期の涙 後編

 土砂降りの外を見上げながら、センは相手に気づかれないように憂鬱なため息を発した。
ロッタが泣いていた。
自分だってそこまで馬鹿ではない。無論、一昨日の約束をすっぽかしたことも気づいていた。しかし、それについての連絡も、謝罪の電話もすることができなかったのだ。
ザインフローの周辺には魔法陣が張ってあり、基本的に一定以上の魔力を持つ生き物は入り込めなくなっている。しかし、子供は別だ。
現在は南の魔王との交流は途絶えていたため、カランが一人で乗り込んでくるなんて想像だにしていなかった。メールや電話を最近よくしてくるようになった彼女と話すに、以前よりはまともな性格になったと油断してしまっていた部分もあるのかもしれない。うっかり学園のことを話してしまい、今現在付き合っている子がいると言ってしまったのが間違いだった。
まさかその一ヶ月後に、単身乗り込んでくるとは考えてもいなかったのだ。
何とか穏便にことを運ぼうとしているのだが、当の本人はただひたすらにニコニコしているだけで、真意が読めない。しかし先ほどのロッタに対する攻撃や、迎えに行った先にて、一瞬で携帯を奪い取られ握りつぶされたことからも、彼女がただ自分に会いにきたということではないのは重々気づいてはいた。
センがここまで慎重になるのには、理由があった。
カランフロン・フェルサーという少女は、普通の魔族ではない。遺伝的なもので、体中に毒が流れている。血も、涙も、唾も、魔力でさえも彼女がその気になれば、象さえも一滴で昇天させるほどの強力な毒薬になるのだ。
本来ならばさっさと縛り上げて送り返したいのだが、そうもいかなかった。逆上して毒の魔法陣でも展開されたら、確実に大量の生徒が死ぬ。そして彼女は、それを動じることなく平然と行う子であることは、センは度重なり確認をしたその狂暴性により再確認をしていた。
だから何とか機嫌を取って、体験したいと言っていた普通と変わらない学園生活を送らせ、そして満足して帰ってもらおう。
そう考えたのだが……。
額を抑えてもう一度ため息をつく。

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2008年9月13日 (土)

ラルロッザの学園都市 SS7 前編

その7 発情期の涙 前編

 すさまじい勢いで雨が降っている。今日は生徒会は休みだったのだが、寮に帰ることも、馬車を呼ぶことも難しいスコールに、数人が部屋の中に集まっていた。最近は月末のテスト週間ということで、集まることが決められている日も一週間に二、三回あるかないかだ。
他の運動部数個に所属しているクヌギも、いつもならフィルと現れるのだが最近は自分の家に彼女を呼び、屋敷のホストマン達と一緒に勉強会を開いているようだった。
……そっちに混ぜてもらおうかな。
彼女にしてはかなり珍しい、儚げで相当憂鬱気味なため息をつき、ロッタは頬杖をついて窓の外を見上げた。
美しい妖精の少女だったが、その背中から伸びている四枚のトンボ羽は元気がなくしおれている。
その隣で、雨が降っているせいかやたらと元気満々な人魚――アイカが一生懸命に数式を解いていた。すでに課題の部分は完全に逸脱しているのだが、それを通り越して全く関係のない物理定義数を計算し、さらには別組織の物体構築式まで展開していることに彼女は気付いていない。
目の色が変わって羊皮紙とインクを消費している親友をぼんやりと見つめ、ロッタは表情を落とした。

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2008年9月11日 (木)

ラルロッザの学園都市 SS6

その6 超兵器襲来

 「ついにこの時が来た……」
第十五生徒会員達が集まった長テーブルに両肘をつき、組んだ手の上に顎を乗せて彼は言った。生徒会長であり、ドラゴン族の少年――センが、トカゲ尻尾を神経質そうに揺らしながら続ける。
「俺たち第一貴族にとっては大したことがないイベントだが、明日、朝九時から夕方五時までザインフローに展開された魔法陣が消滅する。無論都市への出入りは魔導政府が軍を派遣してことに当るので心配はないが、事実上、生徒の保護者は出入りがフリーだ」
彼に視線を集めた生徒会員の面々が思い思いに頷いた。
「そして結界が消えるということは、明日は魔法制御がなくなるということだ。つまり学園警備における俺たちの重要性が非常に高い」
「てゆうか俺たちの役割って本来それなんだよな。忘れかけてたけど」
牛角の少年……ゼマルディが言ったことに頷き、センは続けた。
「最近、どこぞの生徒会のどこぞの誰か達のせいで、俺たちの能力を疑問視する声が出ているとも聞く。これはゆゆしき事態だ!」
ドン、とテーブルを拳で叩きドラゴンはわななく手を顔の前に持ってきた。
「誰のこと言ってるのよ?」
「喧嘩をお売りなんですか?」
口々に抗議の声を発した生徒会員達を完全に無視し、センは言った。

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2008年9月 9日 (火)

ラルロッザの学園都市 SS5

その5 ロボドラゴンの逆襲

いつものようにフィルとクヌギが、仲良く手をつなぎながら生徒会室に入ると、実に猟奇的な光景が目に飛び込んできた。ソファーの上で、生徒会長のドラゴン族、センが交際相手である妖精族の少女、ロッタに四の字に絞められ、喉仏を足首で圧迫されていた。十七歳の少女にしては高度なプロレス技なのだが、見慣れている吸血鬼と怪鳥族のカップルは、それをちらりと一瞥した後、表情を変えずに談笑をしながら、少し離れた場所のソファーに腰を下ろした。
ロッタに容赦なく締められているセンが、必死に助けを求めてクヌギの方に手を伸ばす。顔が真っ赤になっている。声が出せないらしい。
「死ねぇぇ……!」
物騒極まりないことを口走りながら、背中に生えた四枚のトンボ羽をバタバタさせるロッタ。
センの腰下から生えたトカゲ尻尾が、ビクンビクンと痙攣している。
「それでね、私今日のテストでね、AAA取ったんだよ」
「フィルは凄い子だな。俺は、未だに過剰定数の分解意義が良く理解できん」
「紋章物理定義のミーシアス四条を入れれば簡単だよ。そうだ、私のお部屋に行ってお勉強しようよ」
「いいのか?」
「うん。今日のお話し合いが終わったら行こうよ」
第十五生徒会室の長テーブルで紅茶を飲みながら、額に牛角を生やした少年……ゼマルディが、そこで初めて呆れた声を発した。
「そこのバカ二人。スルーするにも程があるんじゃないか?」
「そうだな。今度は何をしたんだセン」
くるりと、どうでも好さそうに視線を回してクヌギが言う。
「きづいてたのか……」
ゼマルディが呟いた途端、グルリとセンが白目を剥き、体の筋肉を弛緩させた。

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2008年9月 8日 (月)

ラルロッザの学園都市 SS4

4 フィルvsクヌギ

 妙な唸り声が部屋に響いていた。うー、うーというそれは確かに怒気を孕んでいることにはいたが、仔猫が親の乳を兄弟に横取りされた時のような、微妙な雰囲気に包まれている。
対して唸られている方は、これまた非常に不機嫌な顔で、腕組みをし――自分の身長の三分の二以下しかない相手を見下ろしていた。
周囲の空気が凍りついている。
金髪の小さな女の子――吸血鬼と天使のハーフであるフィル・ラインシュタインは、自分では怒りに燃えて相手を威嚇しているらしい――人形のような小顔の頬を僅かに膨らませ、顔面を真っ赤にしていた。
小さな手を握り締めてプルプル震えている。
第十五生徒会員達は、今しがた全員で入ってきたエレベーターのドア付近で硬直しながら、彼女と……そして両耳の脇に虹色のトサカを揺らしている少年。ドレッドヘアーの怪鳥族、クヌギの間に視線を往復させていた。

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2008年9月 4日 (木)

ラルロッザの学園都市 SS3

3 在る夜の悪夢

 雷と雨が乱れ落ちる夜、第十五生徒会員の面々は困り果てた顔で、円形のソファーに車座になって座っていた。
先ほどからピシャンピシャンと雷の音が聞こえるが、それを気にしている状況ではないらしく、全員顔が深刻だ。
普段着で着ている彼らは、少し古ぼけた大きなリビングの中にいた。暖房器具はソファー近くの暖炉だけのため、冬に近い季節では肌寒い。女性は一様にストールを肩にかけていた。
「さて……どうしようか?」
シャツの上に高級そうなベストを羽織った格好のセンが、静かに口を開いた。腰下から延びた太いトカゲ尻尾が、神経質そうに揺れている。
右手で右耳にピアスをつけようと、考え込みながら指を動かしている彼を一瞥して、その隣に座っていたトンボ羽を持つ妖精の少女……ロッタが、無言で手を伸ばし。
「まさかここまで天候が悪くなるとはな。馬車も遅れるようだし、列車は全面的に運休だそうだ。今夜はここに留まるしかあ痛ァッ!」
耳たぶからそのピアスを毟り取った。

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2008年9月 2日 (火)

ラルロッザの学園都市 SS2

その2 フリーパスチケット

 ことの発端は、些細なことだった。
生徒会員達は、皆長テーブルを囲んで沈痛な面持ちをしていた。ただ一人だけ吸血鬼の少女、フィルだけはよだれを垂らして、こくりこくりと頭を揺らしている。
寝ているのだ。
「さて……」
上座に座り、テーブルに両肘をついて組んだ手の甲に顎を乗せた姿勢で、生徒会長の少年が口を開いた。彼の腰下には一メートル半ほどもある長い、トカゲのような尻尾がついていてそれが神経質そうに揺れている。
ドラゴン族の彼は、息をついて続けた。
「いつかはこうなると思っていたが、憂慮していた事態になってしまった。お前らの意見を聞きたい」
周囲の生徒会員達がそれぞれ頷く。
「まずはマロン、意見を聞かせてくれ」
彼――センが言うと、声をかけられた赤毛の少女が口を開いた。車椅子に乗っていて、制服のスカートからは青光りした綺麗な魚の尾が覗いている。
「討ち入りが妥当な線かと」
彼女……アイカ・マロンは指先で羽ペンをくるくる回しながら言った。また周囲が一斉に頷く。
センもそれに頷き返し、そしてアイカの隣に座っていた、背中に透き通った四枚のトンボ羽を持つ少女に目をやった。

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2008年9月 1日 (月)

ラルロッザの学園都市 SS1

ラルロッザの学園都市 ショートストーリー

1.それは何だ


 いつになく深刻な面持ちで、生徒会の面々が第十五生徒会室に勢揃いしていた。
その視線が、長テーブルの中央にいる金髪の少女に注がれている。
上座に座っている赤髪の少年が、困った顔で周囲を見回す。彼の腰下からは一メートル半はある太く長いトカゲの尻尾が伸びており、神経質そうに揺れていた。
「あー……集まってもらったのは、他でもない。まぁ別に大した話じゃないんだ。テストも近いし……」
言い淀んで、彼は周囲の視線が自分に向かないことに、いらだちと共に心の中で微妙に納得してもいた。
第十五生徒会の面々は、皆一様に怪訝そうなこわばった視線をしていた。
その中には言葉を発しあぐねている者もいる。
しばらく沈黙が部屋を包み、金髪の少女……吸血鬼であるフィルの頭に乗っている『それ』を見ながら、車椅子に座った少女が口を開いた。彼女の下半身は奇麗な魚のものなのだが、今はやはり、上座のドラゴンのように神経質そうにヒレが揺れている。

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2008年8月30日 (土)

ラルロッザ SS 説明

http://www16.plala.or.jp/LastComets/Laurotha_index.html

原作がこちらの、小説のギャグ編ショートストーリーです
一部の設定を使っていますが、キャラが全員ド外道になっています
本編とはかみ合わない点もあるかもしれませんがご容赦ください

感想や意見、漫画化のお誘いなどありましたらご自由にどーぞ
matusin08@yahoo.co.jp or http://www4.rocketbbs.com/141/Bortecha.html

■舞台
数々の種族がひしめき合う魔界。
その中で、貴族や上流階級の子供たちが通う学園都市ザインフローが舞台です。
学園都市は外敵の侵入を防ぐため、魔術防壁が張ってあります。
最上級の貴族で構成された第十五生徒会のアホな面々のアホな学園生活です。


■登場人物紹介

①センシエスタ・ノートランド
 ドラゴン族の少年。十八歳。東の大マフィア、タルス・ノートランドの第一子だが、父とは殺しあうほど仲が悪い。学園ザインフローでは東エリアの生徒会長をしている。女好きでハンサムな外見で次々と女生徒をたらしこんでいたが、アルヴァロッタと寄りを戻してからは、彼女を恐れて動けなくなった。頭はいいが、生徒会院の中では一番悪い。時間を止める、魔法が使える。マゾヒストで、虐められている自分に快楽を感じるが、時たまシリアスになる。尻尾が性感帯。

②アルヴァロッタ・アークシー
 夏妖精の少女。背中に四枚のトンボ羽を持つ。十七歳。東の政界を治めるアークシー一派の令嬢だが、ざっくばらんで男気溢れる性格をしている。妖精という特性上体は小さいが、モデル並のプロポーションをしている。とてつもないサディスト。しかしそれはセンに対してだけで、他の友人に対してはいたって理知的で思いやりがある。熱を出すと人格が反転して凶悪になる。

③フィルレイン・ラインシュタイン
 一応本編の主人公。西の大魔王、メルヘドス・ラインシュタインが造りだした人造生命体で、体と精神年齢は十二歳前後だが、戸籍上では十七歳になっている。母親である天使(死去している)の血が入っているため、唾で呪いを解くことが出来る。また、強力な魔力を持ち、周囲の魔力を無尽蔵に吸収し発散することも可能。頭は良く、ロッタと並んで学園のトップ。いわゆる『ロリコン友の会』という大規模なファンクラブを持つ。

④クヌギ・トランス
 怪鳥族ビワーフの少年。十七歳。百九十八センチという巨大な体を持ち、全長四メートルを超える巨鳥に変身可能。貴族ではないが、実家が大規模ホストの元締め。本人はいたってまじめで、固い性格。フィルと付き合っているため、ロリコンだの色々言われているが気にした風がない。しかしそのため、フィルの実家である西の魔王一派からは命を狙われている。スポーツの世界ではヒーローのため、女子生徒のファンクラブがある。

⑤アイカマロン・スマスバル
 人魚の少女。十六歳。実家が錬金術の第一人者なので、怪しげな薬などを良く作っている。法律を守ったことがない。いつも車椅子で移動しているので、いつか民衆を高いところから見下すのが夢。父であるガゼルバデッツァー・スマルバルのことが大好きだが、自分が彼が再婚した母(死去している)の連れ子だったことにコンプレックスを抱いている。誰よりも腹黒く、人を見捨てるのが得意。好きな言葉は『無駄な抵抗』

⑥ゼマルディ・クラウン
 牛角を持つバイシクルという種族の少年。十八歳。割かしまともな性格だが、そのせいで気苦労が耐えない。種族的理由から、伴侶以外に角を触らせてはいけないのだが、フィルには遠慮なく掴みまくられているので半分ほど諦めている。実家も割りと平凡な目立たない第一貴族。実は一番頭がいい。

⑦ルイシエンタ・ノートランド
 白い髪をしたセンと双子のドラゴン族。十八歳。生まれつき目が見えなく、また、魔力過多という病気を持っているため、学園を出ることが出来ない(ザインフロー学園は魔力を抑える結界が張ってあります)体。腹黒く、兄は好きだが自分の身が一番大事。ゼマルディとは幼少の頃からの腐れ縁がそのまま進行して付き合っている。かなりの少女趣味で世間知らず。

⑧サラサ・メル・フォランティーノ
 幽霊族の少女。十六歳。テレポーテーションが使えるため、味方が危機的状況に陥った際は一人だけいつの間にかいなくなっていたりする。アルヴァロッタのファンで、レズがかっている過剰な愛情を発したりもする。実は幽霊族の皇族で、その中でもトップの第一皇女。本人は実家を嫌っているために隠している。ルイとセンのいとこ。

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